ライカ!~Shiggy Jr.“サマータイムラブ”編~

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Shiggy Jr.“サマータイムラブ”が好きなら次に聴くべき6曲

新しい音楽に出会うきっかけはいろいろありますが、その1つに「好きな曲に似ている」=「Like a ~」というものがありませんか? 自分の好きなアーティスト、曲を取り上げて「○○っぽい曲」「○○が好きならハマること間違いなし!」と言われると、本当に? と思いつつ、ついつい気になってしまうはず。この特集ではMUSIUMなりに、その「○○っぽさ」を何故そう感じるのか、を説明しつつ、○○っぽい曲、つまりライカ! な曲を紹介していきます。

 

第1回目は、2ndシングル『GHOST PARTY』が今週リリースされたShiggy Jr.の1stシングル“サマータイムラブ”を取り上げます。メジャーデビュー1発目にふさわしい、彼らのポップセンスが溢れる、今年を彩るサマーソングの1つとなったこの曲。そんな“サマータイムラブ”を聴いて編集部が思わず頭に浮かんだ曲を紹介します。登場する曲には視聴リンクを付けているので、是非視聴してみてください。

 

Shiggy Jr. / サマータイムラブ MUSIC VIDEO

 

 

ディスコ×ポップ=鉄板? 

ディスコやファンクなどのいわゆるブラックミュージックと呼ばれる音楽を取り入れたポップスは、最近邦楽洋楽問わずトレンドとなっています。“サマータイムラブ”も当初はOlly Mursの“Wrapped Up”っぽいアレンジを目指していたという話もあるようです。Olly Mursはイギリスのアイドル的存在のシンガーで、世の女性を虜にするチャーミングなキャラクターと、横揺れのファンキーなサウンドを取り入れた彼の楽曲はポップシーンのスタンダードとも言えるものになっています。

 

Olly Murs – Wrapped Up (Official Video) ft. Travie McCoy

 

曲の頭、いきなりのブリブリのベースに、飛び跳ねるようなメロディとボーカルを聴いた瞬間の「これは踊れる曲だ!」という感覚が共通点ではないでしょうか。

 

ヒット曲の裏にアゲハスプリングスあり

日本のポップシーンを担う存在といえば、今回の“サマータイムラブ”の編曲も担当している、アゲハスプリングスという制作チームが有名です。アゲハスプリングス×ディスコとなると、アゲハスプリングスプロデュースの3人組アイドルグループ、Tomato n’Pineの“キャプテンは君だ!”というアイドル史に残る名曲は外せません。

 

音楽評論誌で絶賛されながらも、2012年に「散開」してしまった彼女達の人気曲の1つ。ディスコサウンドをベースに、オーケストラを重ねる、というアイデアが“サマータイムラブ”と共通していますが、その結果、どちらも楽しさに少しの切なさが加わっています。

 

今が永遠じゃないからこそ、今を本気で楽しむ世代

少しの切なさ、と書きましたが、実際Shiggy Jr.の楽曲は、キラキラしたポップでありながらも、その奥には微かに切なさを感じさせます。その原因の1つに今が永遠ではないことという認識が裏からにじみ出る歌詞があります。<この時間をもっともっと止めて欲しいのに>と実際は叶わないからこそ、今の時間を楽しもうとするこの感覚。最近のバンドに良く見られる価値観です。それを感じさせる1曲として以前Shiggy Jr.との対バン経験もある、今年の初めに惜しまれつつ解散をしてしまったバンドOK?NO!!の“Party”があります。疾走感のあるバンドサウンドながら、<人生はパーティだ 魔法じゃなくて>と歌う歌詞は、バンド自体が解散をしてしまった事実も含め、彼らは人生のリアリズムを冷静に見る視線を持ちながら、だからこそ今を本気で楽しむ世代なのだと感じさせます。

 

OK?NO!! – Party!!!

 

低音域は甘く、高音域は張りがある

サウンド、歌詞と来ると、次は声でしょう。ボーカルの池田智子の声は、低音域は甘さがありながら、高音域では張りがあるのが特徴です。低音で言うと南波志帆、高音だと仮谷せいらに同様の性質を感じます。

 

MUSIC/南波志帆(PV FULL)

 

 

仮谷せいら – Nobi Nobi No Style(Music Video)

 

 

Shiggy Jr.は1stアルバムの『Shiggy Jr. is not a Child』では温かいバンドサウンド、2ndアルバム『LISTEN TO THE MUSIC』では打ち込みサウンドと、振れ幅のある作品を発表してきました。その振れ幅を持ちながらバンドとしての統一感を維持できているのは、甘辛兼ね備える池田のボーカルがあるからこそなのかもしれません。

 

それでも紅一点バンドが好き。

好きになるバンドはいつも「紅一点バンド」だ、という人はいませんか? 真ん中にいる女性ボーカルと、それを演奏で囲む男性メンバー。バンドをメンバー構成で捉える、という音楽好きは意外と少なくないようで、スリーピース、ソロシンガー、男性デュオ、など好きになるバンドの構成が似ていることもあるようです。そんな視点で観ると、同じく紅一点バンドとしていきものがかりはShiggy Jr.のお手本とでも言うべき存在かもしれません。バンドのイメージを一手に担うボーカルの吉岡聖恵、作曲面で支える水野良樹(Gt)、という関係性は、Shiggy Jr.の池田と原田茂幸(Gt)とシンクロするものがあります。バンドのイメージをボーカルが担保することによって、楽曲自体は振れ幅広く出来ている、というのも共通点と言えます。

 

いきものがかり 『GOLDEN GIRL MV(Short ver.)

 

 

今回はShiggy Jr.の“サマータイムラブ”を聴いて思い浮かんだ曲、アーティストを紹介してきましたが、視点を変えることで、色んなアーティストとの共通点を感じる結果になりました。それぞれ聴いていく中で、Shiggy Jr.を好きで聴いている時と同じ「アンテナ」に反応するアーティストがいたなら、その視点があなたの「音楽的好物」なのかもしれません。自分の好きな音楽の、好きな理由を考えてみると、もっと新たな音楽との出会いがあるかもしれません。好きな1曲から網の目のように好きが広がっていくきっかけに、この特集を活用してください!

荒池 彬之