MUSIUM、フェスを語る。「フェスってこの先どうなる?」〜自然型編〜

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2016年も、さまざまな音楽や想いが交差した音楽フェス。
「夏フェス」という言葉が、音楽コアファン以外にも浸透していくのと同時に、夏の「4大フェス」以外にも、春フェス、冬フェスに該当されるフェスや、アーティスト主催の個性が尖ったフェス、地方フェスなど多種多様な音楽フェスが、今年もさらに多く音楽シーンを彩りました。
そこで今回は様々なフェスを、「自然型」「都市型」「特殊型」の3つに分類し、2016年のフェスシーン、そしてこれからの音楽フェスが行く先を考察しました。

 

「MUSIUM、フェスを語る。『フェスってこの先どうなる?』〜都市型編〜」

「MUSIUM、フェスを語る。『フェスってこの先どうなる?』〜特殊型編〜」

 

 

2016 自然型フェス対談

 

今井「今回の特集、フェス対談では3つの野外フェス、RISING SUN ROCK FESTIVAL (以下、ライジング)、FUJI ROCK FESTIVAL(以下、フジロック)、ROCK IN JAPAN FESTIVAL(以下、ロッキン)のことを話していきたいと思います」

 

及川「この3つのフェスは、開催場所は北海道や新潟、茨城とそれぞれです。夏の野外で、しかも自然の中で毎年行われる、2万人、3万人、ロッキンにいたっては1日に6万5千人動員という規模の、日本を代表する大きなフェスですね」

 

遠藤「私はロッキンに毎年行っていますが、その他の自然型フェスについても行ってみたいし知りたいな、と思っていて。それぞれの特徴や魅力、今年のトピックスやこれからどう変わっていくのかなど、みんなで話していきましょう」

 

FUJI ROCK FESTIVAL

2016年フジロックの魅力
深夜のD.A.N.

今井「まずはフジロックといえば何が魅力ですか?」

 

及川「やっぱり大自然ですかね。新潟の苗場スキー場っていう山の中で行われて、自然の中で音楽をみんな自由に楽しんでいる雰囲気がとてもいい。それに洋楽が充実していて、普段来日しないような海外のアーティストや、まだ日本ではそんなに知られていない新しいアーティストとも出会える」

 

今井「日本の野外ロックフェスの元祖ですもんね」

 

及川「1997年に始まって、今年20周年でした」

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今井「今年のフジロックで1番熱かったのは、初日の深夜に演奏したD.A.N.だったんじゃないかと思ってます。3日間オールナイトで行われるフジロックの初日、深夜帯では1番大きなステージの一発目という大事な時間で、集客も演奏も素晴らしかったです」

 

及川「深夜のレッドマーキーは山の中のクラブっていうか、エレクトロニックなダンスミュージックをプレイするアーティストが並ぶラインナップで。D.A.N.は生のバンドだけど身体がビリビリするくらい低音が効いていて、お客さんもステージをじっと見つめるだけじゃなくて、思い思いに踊ってました。ライヴハウスで観るいつものD.A.N.とは違いましたね」

 

今井「フジロックの一番の面白さは昼から始まって、次の朝の5時頃までやってるパーティ感なんだと思います。みんな夜遅くまで残ってる気もしますし、D.A.N.も深夜マジックがあったかも」

 

及川「お酒も入って、みんな我を忘れて踊り狂うみたいな(笑)」

 

小山「深夜に観るのはまた違いますよね!しかも山の中っていうシチュエーションで」

 

今井「その大自然の中で夜通し踊るレイブっぽさが、フジロックの大きな魅力ですよね。その『夜のフジロック』の始まりといえるステージで、D.A.N.がライヴを大成功させた。『クラブミュージックをバンド・サウンドで表現』しようとするD.A.N.が持つ、高揚感や陶酔感と、深夜のフジロックのレイブっぽい雰囲気が、まさにぴったりはまった瞬間でしたね」

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音楽と政治、大論争

及川「今年ならではのトピックというと、SEALDsの奥田愛基さんがトークをするということで、Twitter上でもいろんな意見が飛びかって話題になったことですね。『フェスに政治を持ち込むな』っていう。私は実際にそのトークは観られなくて、当日どうなったかっていうのはわからないんだけど、これまでにも日本の社会問題だったり、原発についての話もしてきたのに、こんなに話題になってしまったのはなんでだろうって」

 

小山「ちょうど7月に参院選も控えていたし、みんな政治に敏感になっていたのかもしれないですね。そこに以前から積極的に活動をして注目されていたSEALDsの名前が挙がって、一気に話題になった」

 

及川「そうですね。それに毎年そうなんですけど、興味がなければそのステージに行かなくていいっていうだけなので。変に押し付けがましくないのが、フジロック全体の自由さとも繋がってくるのかなと。音楽フェスの場に社会や政治の話を持ち込むというのは、フジロックならではだと思います。『東北ライブハウス大作戦』みたいに、震災からの復興を目指したフェスやイベントはあるけれど、政治を関連づけたものはない気がしますね。今年のこの騒動で、個人的には、音楽の話をするくらい気軽に政治や社会の話をして、いろんな意見交換をしていっていいんじゃないかな、と感じました」

 

今井「ただ『音楽に政治を持ち込むな論争』に関しては、盛り上がったのって開催前で、フジロックが始まってからは全然聞かなくなったように思います。僕は3日間行っていたのですが、現地では完全に忘れていました。帰って来てから『そういえばそんな話が』って思い出しましたね」

 

及川「『フェスに政治を持ち込むな』って反対していた人は、今年フジロックには参加しなかった、もしかしたら行ったこともない人が多かったのかもしれないですね」

 

今井「会場でも環境保護団体のNGOがゴミの分別を呼びかけていますけれど、ステージの転換でマイクを使って呼びかけたり、フェス側もその団体の活動を応援したりしてますよね。『音楽と政治論争』の時はフェス側は最後までコメントを出しませんでした。音楽フェスとして多様な主張を受け入れる空気はありますよね」

 

RISING SUN ROCK FESTIVAL 

ライジングの地元感

今井「ライジングは今年で18年目ですね」

 

小山「北海道の石狩湾新港の樽川埠頭の近くで開催しています。フジロックと同様に野外のオールナイトフェスティバルです」

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今井「北海道って首都圏からだと、かなり行くのが大変な気がするのですが、客層ってどんな感じなんでしょう」

 

小山「地元感が強いですね。ライヴ中のMCで『北海道の人!』という呼びかけがあると、半分ぐらいは北海道の人という印象ですかね。テントエリアでも、地元の高校の同級生達が同窓会代わりに来ていたりして。 北海道出身のアーティストも毎年話題に上ります。今年でいうと6年ぶりに活動再開した大黒摩季がRED STAR FIELDに登場しましたね。彼女が講師をしている札幌の音楽学校の生徒達をステージに上げて一緒にパフォーマンスをしていました。ダンス部門と歌部門でそれぞれ1曲ずつ。アットホームでとても和やかな気持ちになりました」

 

今井「ちょっと前に石狩市の中学校の吹奏楽部が出ていましたね。すごく地元感があるフェスなんだなあ、と。そういう意味では、フジロック・ロッキンと比べて地域密着というか、地元感が強いのかもしれない」

 

小山「それに、北海道の広大な平野っていう環境もとても良いです。例年の見どころは、やはり2日目の大トリですかね。毎年みんな注目しています。最後のアクトが始まったくらいから、空が明るくなり始めるんですよ。その時間にはメインのSUN STAGE以外はすべてのアクトが終わっていて……なんだか不思議と厳かな雰囲気がありますね。今年はBRAHMANで、朝日の中の彼らは本当にかっこよかったです!」

 

及川「私の友達も、何年か前に朝日とともに観たハナレグミがすごい感動したって言ってました。まさにオールナイトフェスの醍醐味ですね」

 

2016年 少し優しくなったライジング?

今井「今年ならではの変化はありましたか?」

 

小山「タイムテーブルが少し変わりましたね。今まではタイムテーブルを出していないステージがいくつかあったんです。そこが今年は完全にタイムテーブル化されていました。今まで小さなステージにアーティストがこっそり来て、SNSなどで見聞きしたファンがひっそり集って聴く、って感じだったんです。でも今年、全体のタイムテーブル開いたら、あれ、掲載されてる……って(笑) でも初めて来場した人にもわかりやすいように、みんなが楽しめるようにするには、必要なのかな」

 

及川「そうですね。毎年参加しているライジング慣れした人だけじゃなくて、初めて行く人にも優しいフェスを目指しているんでしょうか。以前フジロックでも、PYRAMID GARDENっていうキャンプサイトで、いきなりクラムボン原田郁子が歌ってます、とかありましたね。ここは今年からキャンプ券がなくても、リストバンドがあれば入場可能になっていました。キャンプじゃなくても行ってみようかなって思いますね。フジロックの場合は何度か行ったことがある人でも、新たな楽しみが増えた嬉しい変化でしたね」

 

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 

ロッキンの楽しみ方

遠藤「ロッキンは茨城のひたち海浜公園で行われる自然型フェスですけど、都市型に最も近い自然型というか。首都圏に住む人にとっては一番行きやすいフェスなんじゃないかなと思っています。立ち位置としては、“フェスの入門”としてラフに行きやすいフェスだと思います。邦楽ロックバンドだけじゃなくて、いきものがかりきゃりーぱみゅぱみゅBABYMETALやアイドルも出たり。邦楽というカテゴリのなかで、とにかく幅広いラインナップだから、いろんな人が来やすいんだと思います」

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小山「以前から、幅広いラインナップがロッキンの特徴でした。ただ、近年は本当にポップ。2013年以降、Perfumeが大トリを務めた年あたりからですかね。2014年からはBUZZ STAGEにアイドルグループが多くブッキングされたりして、客層がまたぐっと広がった気がする」

 

遠藤「ロックだけに縛られていないから、いろいろなお客さんが行きやすいんだと思います。一番の特徴としては、1日を通してやっぱり友達とか大人数でわいわいするのが楽しいフェスというか。友達と写真を撮ったり」

 

小山「芝生で大人数でジャンプして写真撮ったり、ですかね(笑)。ここ数年、ロッキンの公式サイトやトレイラー動画を観ていても、アーティストがバーンとかっこよく写っていたり、ライヴに感動して涙する観客……という構図ではなくなっている。友人同士やカップルが一緒に自撮りしていたり、踊ったりはしゃいでいるような動画がメインに来ていたり、わいわいできる感、思い出作り感を一番に押し出しているイメージがあります。あれだけ豪華なブッキングなのに、敢えてそこを推すのもすごいなあと感じてしまいますけど、やっぱりそういうPR方法の方が今は若者に刺さるんですかね?」

 

遠藤「若者に刺さるというよりかは、普段から音楽ライヴに行ってない人に刺さるんじゃないでしょうか。そういったものを見て、楽しそうな場所がある、この日のこのアーティストは知ってる、友達と行ってみようかなという流れになるじゃないかな。音楽好きとしては考えられないかもしれませんが、音楽フェスの入り口は必ずしも音楽ではないんだと感じます。あと、ロッキンはフェスの後に増刊号が出ますよね。読むとみんなで集まって笑顔でいる写真とかいっぱい載ってるわけで、フェスの後にも『みんなで楽しむ』っていう楽しみ方ができるのはロッキンだけですよね」

 

今井「思い出のアルバムみたいですよね。本をきっかけに『ROCK IN JAPAN』の存在を知る人もいるかもしれません。メディアが主催するフェスならではの、フェスのPRの仕方ですよね」

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今年のロッキン

今井「今年のロッキンならではの変化ってありますか?」

 

遠藤「今年は新しい動線と、ステージが増えました。一番大きいGRASS STAGEに行くための通路が今までひとつしかなくて、人が多すぎて渋滞してしまっていて。それで入場ゲートの地点から大きく迂回させて、直接GRASS STAGEに行けるルートを作って、渋滞を緩和しようとして作られたと思うんですけど」

 

今井「なるほど、ロッキンはどんどん人も増えて、でかくなっていて、そのための変化なんでしょうか」

 

遠藤「確かに年々動員数が増えているというのも理由のひとつだと思いますが、それだけではないと思います。今年は2012年から運休としていたシーサイドトレインが復活しました。入口のあるLAKEエリア~メインステージのあるGRASSエリア間の移動手段としてとても快適で便利と聞いています。でも単に移動手段として復活したわけではないと思っています。ここ数年、ロッキンで小さい子供の姿をよく見かけて、家族で来てる人たちが増えていると感じています。フジロックでは子供の遊び場があるように、子供向けのアトラクションのひとつとして復活したのもあったんじゃないでしょうか」

 

フェスの客層の変化

遠藤「ロッキンは、最近だと小学生を連れた家族連れもよく見かけるから、そういったところからもフェスのあり方が変わってきているのを感じます。考えてみればフジロックが初めて開催されてから20年、ロッキンは17年でライジングは18年。20歳で初めてフェスに参加した人が30代後半~40代になる。つまりフェスの平均年齢自体が上がり続けているっていうことですもんね」

 

今井「若い世代にもどんどんフェスに来てほしいっていうことなんでしょうか。今年のフジロックでは、中学生以下から入場無料になりました」

 

及川「毎年フジロックに行ってた私の友達も、結婚して子供ができて、今はフェスどころではなさそうだけど、こういうサービスがあったらまた行きたいって思うかもしれない」

 

今井「フジロックには子供専用で遊べる木の遊具があります。今、僕らが話している自然型フェスって十何年も続いているので、最初の頃来ていた十代も子供を連れた大人になっている。そうなると、子供も楽しめるスペースは大切ですし、小さい頃からずっと来てくれた子供が、大人になって友達や家族を連れて来てくれるようになるかもしれないですもんね」

 

及川「フェス主催者側としても、やっぱり子供ができたとしても音楽を、フェスを楽しんでほしいと思うし、子供へ向けても小さい頃からいろんな良い音楽に出会って、触れてほしいっていうことなのかもしれません」

 

遠藤「ロッキンも子供連れが年々増えていますね。夏休みに海へ行こう、おばあちゃんちに行こうっていうような夏の一大イベントの中に、フェスへ行こうっていうのが一般的になってきたっていうことなのかもしれません」

 

今井「フェスが夏の恒例行事として、家族でも行くものになっているんですかね」

 

遠藤「夏の風物詩になったんですね。花火やBBQと同じように家族のレジャーとして楽しめるもの、という雰囲気がありますよね。音楽に詳しくなくても、夏の思い出作りとして行くっていう人もいたり」

 

及川「ライトリスナーが増えたってことなんでしょうか?」

 

小山「確かに、音楽を普段あんまり聴かなくても、ちょっと有名な人が出ているってわかれば行きたいと思う人が増えた印象は、どのフェスにもありますね。やっぱりここ数年、フェスに限らず『体験を共有する』というのがすごく重要なキーワードで。だから、音楽フェスという名目だったとしても、そこに自然がいっぱいあって、日常とは違う空間で、仲良しの友達や家族とわいわい楽しめる、ということであれば行ってみようと考える人が多いんだと思います」

 

音楽と出会う場⇒レジャーの場に

遠藤「ロッキンは音楽のフェスというよりは、音楽のあるテーマパークのようになってきてる気がして、来年は行くのどうしようかって最近悩んでるんですよね。フェスという場に遊びに来ている感覚の人が多いので、ガッツリ音楽を求めて行っている自分の方が、周囲の環境から取り残されているような寂しさを感じる瞬間があるし、物足りなさを感じてしまって」

 

今井「都内のライヴや音楽イベントとかでも、満足できるんじゃないかなっていうこと?」

 

遠藤「そう、音楽をガッツリ聴きに行きたいなら、それで良いんじゃないかなと。もうこれから夏フェスに行くなら、音楽を目当てに行くというより、友達とレジャー感覚で行くという感じ。 最初はフェスって音楽と出会いに行く場だと思っていたけど、今はみんなと楽しみに行く場という感覚になってるんだろうなと思います」

 

及川「ディズニーランドみたいな?」

 

遠藤「そう、1日テーマパークで遊べる、みたいな」

 

小山「ライトな人向けのフェスになっていけばなっていくほど、コアな人達は変わっちまったなって違和感を感じて、離れていってしまうところもあるかもしれません。その均衡が変わろうとする局面に来ているのではと感じますね。敷居を下げて継続させていくのか、今のままで純粋に音楽を楽しみたいファンを守り続けるのか。それが、今まさに変化中なのか、それとももう変化は済んでいるのか、どの段階にいるのかは、一参加者には、わからないですけど」

 

これからの自然型フェス

今井「各フェス過渡期に差し掛かっている中で、フェスに行っている僕らが今こう話し合ってきて、いちリスナーとして思うことを聞きたいです」

 

小山「私が思うに、この先いろいろなフェスの敷居がどんどん下がって、最低限まで下がってしまうとすると、その結果、どこも似たようなフェスになっていく気がしますね。それはそれで、楽しいとは思うんですけど、ライトリスナーが増えれば増えるほど、みんなの向く方向が音楽だけじゃなくて様々なところに向いていく。だからルールを固めていかないと上手く運営できない部分が増えてくるのかも。そうなるとライジングは自由度の高さがまたいいところなので、ライジング好きとしては少し微妙な気持ちになりますよね」

 

今井「なるほど。でもフェスが均一化していく中でも、各々環境が違うっていう事が野外フェスの強みになるんじゃないかと思いました。ライジングは石狩だから、フジは苗場だから、ロッキンはひたちなかだからこその音楽体験があるんじゃないかと思います。ロッキンはどうですか?」

 

遠藤「ロッキンはフェスに初めて行く人も多いから、場内ルールのアナウンスなどがしっかりされているし、とても過ごしやすいです。やっぱり、フェス初心者には良い場所だなと思います。これからも初めてフェスに行ってみようかなという人たちの入り口であり続けると思います。あと個人的にはロッキンは普段チケットが取りづらいアーティストでも生でライヴを見れるところが好きで、今年だとBABYMETALを生で見れたり。フェス行ってみたいって友達がいたら、そういうアーティストがいる日にして、あとは友達とわいわいして過ごすっていう、音楽メインじゃない楽しみ方もしてみようかなって思いました」

 

今井「ロッキンは『フェスに初めて参加するにはうってつけ』と思われていることが凄いと思いました。それはロッキンのブッキング力と、ひたちなかという公園の環境、運営側の整備の徹底があるんだろうなと。 個人的に今年のステージや動線が増えたり大きくなっていく中で、思いもよらない新たな出会いが生まれるフェスなんじゃないかなと感じています。フジロックはどうでしょう?」

 

及川「さっきも少し話した今後のラインナップの話だと、フジロックもこれから邦楽アーティストが増えていくかもしれないけど、邦ロックバンド目当てで来た人が洋楽を聴いて、『何これめっちゃカッコいい!!』ってなるかもしれないし、逆に洋楽好きな人がたまたま聴いた日本のバンドを観て、『何これカッコいいじゃん』ってなったら嬉しい。だから、それは肯定的に考えたいと思ってます。それに、どうなっても毎年フジロックに行きたいって思うのは、やっぱり山の中で音楽を体感する、非日常的な体感ができるから。それこそ自然型のフェスの醍醐味なのかなって思いました。 つい最近も『Festival250』っていう世界の重要音楽フェスランキングの、堂々3位にフジロックがランクインして。2015年の観客動員や規模、チケット売上とかが考慮されてるらしいんだけど、環境保護への取り組みや自然を敬う姿勢だったり、自分のことは自分でやる、だけどいざというときは助け合うっていう精神も評価されたみたいですね。ロッキンみたいにモッシュやダイブは禁止とか、いろいろルールが決まっているフェスがある中、フジロックみたいに観客ひとりひとりを尊重して、自己責任で自由に楽しんでほしいっていうことを提示しているこの規模のフェスは、日本にはなかなかないんじゃないかって思います。だからすごく居心地がいいんです」

 

今井「僕もそれは思いました。やっぱりフジロックは苗場でやっていて、すごく環境がいい。音楽との出会い、という視点でいうと邦楽が増えて変わり始めていて。今は邦楽、洋楽のバランスをどう混ぜればいいか、考えている時期なんじゃないかと。だからブッキングでもフジロックらしさをブラさずにいてくれれば、フジロックはフジロックらしく続くんじゃないかなと思います」

 

小山「フジロックのように山の中のレイブ感を楽しみにいくのも良いし、ロッキンのように友達や家族でレジャーとして遊びにいくのも良いし、ライジングみたいに北海道っていう土地、美味しいごはんだったりきれいな朝日だったりを楽しみにいくのも良いし。みんな目的はそれぞれかもしれないけど、自然の中に音楽があるっていうのは、やっぱり自然型フェスならではの魅力ですよね」

 

今井「大雨が降ったり雲ひとつない青空で暑すぎたり、天気や気温にも左右されますけど、その少しの変化にも一喜一憂できるというか。普段なかなか感じることができない自然を体感できるっていうのも、僕らが自然型フェスに行く理由のひとつですね」

 

 

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