MUSIUM DISCUSSION「音楽でふりかえる、2016年」~2016年流行のアプローチ編~

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音楽とともに過ごした2016年もそろそろ終わり。皆さんが感じた2016年の音楽シーンはどのようなものだったでしょうか?

MUSIUM編集部では「話題となった大物アーティストの復活」、「勢いがあったインディーズレーベル」、「ストリーミングサービス本格スタート」、「今年流行した音楽のアプローチ方法」という4つの視点で、今年の音楽シーン、さらにこれからどうなっていくのかを語り合いました。

1年を振り返りながら、音楽ファンであるからこそ見えたシーンの変化と進化を、一緒に考えてみませんか?

 

MUSIUM DISCUSSION「音楽でふりかえる、2016年」〜大物アーティスト復活編〜

 

MUSIUM DISCUSSION「音楽でふりかえる、2016年」〜勢いがあったインディーズレーベル編〜

 

MUSIUM DISCUSSION「音楽でふりかえる、2016年」~ストリーミングサービス本格スタート編~

 

2016年流行のアプローチ

荒池「2016年もいろいろな、例えばフリースタイルダンジョン「(テレビ朝日)」だったり、岡崎体育のブレイクだったり、と音楽シーンで流行したトピックスがありました。それらがどういう理由で流行ったのか、どういう共通点があるのか、などを考えながら、流行と音楽、という意味で今年はどういう年だったのか、2017年はどうなっていくのか、といったところを話していければと思います。まずは今年音楽周りで流行したと思うものをどんどん上げていきましょう」

荒池「時期的にはフリースタイルダンジョンが最初ですかね。テレビ朝日での放送、そして当初はYouTubeでも配信していましたね」

小山「放送後におっかけでYouTubeでの配信を観ている人がとても多くて。普段そこまで音楽を聴いていない人でも、『面白くて全部観た』と言っている人が多かったです」

荒池「知り合いにもそれまでヒップホップ聴いたことなかったのに、フリースタイルダンジョン観て好きになって、この間MCバトルのイベントに行くようになるくらいとても詳しくなった、という人がいます。岡崎体育も年明けすぐにYouTubeからブレイクしましたね。こんなにわかりやすく一気にブレイクした人って久しぶりだな、と感じましたね。“MUSIC VIDEO”のMV1本で一気にガガっと」

小山「あのMVがTVで取り上げられたというのもあるけど、あれもいろんな人が観ていましたね。音楽にそこまで詳しくない知人から『あなたが好きそうなMVがあるから観てほしい』ってメールが来ましたよ(笑)」

荒池「岡崎体育は“MUSIC VIDEO”以外の他の曲もMVがYouTubeに上がっていて、面白いですよね」

小山「“MUSIC VIDEO”は中身で勝負、という感じのMVですが、同じ動画でも、4月に公開されたlyrical school(以下、リリスク)の“RUN and RUN”の縦長MVは「スマホで観るべき」、という形式が面白かったです」

 

lyrical school “RUN and RUN”
https://vimeo.com/161487817


荒池
「このMVは広告系、IT系などの人が話題にしていたイメージ。音楽好きな人って言うよりも」

小山「うん。『これは新しい!』って感じで」

荒池「ただ、実は縦型のMVは前からあったし、SNSパロディのMVもちょっと前からあったんですよね。それらを全部まとめてお手本みたいな感じにしたのがリリスクなんです」

小山「うまく取り入れたってことですね。それでも、かなり話題になりましたね」

荒池「僕もあれを観るためだけにVimeoをダウンロードしました(笑)」

小山 「ただ、リリスクがそのMV以降、そこまで盛り上がらなかったのは『あのMVはリリスクじゃなくてもできた』ということかもしれません」

畠山「リリスクの元からのファンの人にとって、このMVはどう捉えられたんですかね」

荒池「僕この曲が出る前からリリスクは好きだったから、今回盛り上がってくれたのは嬉しいけど、なんでこの曲なんだろう、という思いはあります。最近のリリスクはただ元気、というよりも、エモーショナルな面を押し出していて。次のシングル”サマーファンデーション”のMVは実際の花火大会で打ち上げられている花火をバックに一発撮りしたもので、花火の持つ夏の感傷的なムードが楽曲の魅力を際立たせていたという意味では、こちらの方が今のリリスク的だったと思っています」

畠山「“RUN and RUN”にもリリスクならでは、という要素がもっとあればよかったのかもしれないですね」

荒池「そういう意味ではこのMVに今リリスクがやる意味が弱いと感じてしまいました。どのアイドルでも良い、というのはもったいなかった」

小山「じゃあ『アプローチの手法』という点で話題になったってことですね」

畠山「10月に公開された映画『ミュージアム』のスマホの広告映像がSNSのパロディで。最後カエル男から電話がかかってくる、っていうのがあって、あれはリリスクのMVの影響かなと思いました」

 

「ミュージアム」スマートフォン用特別映像

 

 

荒池「こういうことも含めてリリスクは音楽的というよりメディア的、プロモーション的なインパクトがあったという感じですかね」

畠山「今年8月にリリースされた、グラビアアイドルの篠崎愛の“口の悪い女”という曲のMVはスマホに篠崎愛から電話がかかってきたり、電話に出るとPCのMVの映像が流れたりとスマホとPCが連動したMVになっていました。電話で耳元で篠崎愛の声が聴けるのは、ファンであったら嬉しい内容でしたね」

荒池「360°動画とかも最近話題ですね。あれって電車の中だとうまくできないですよね(笑)」

小山「そう。電車の中だと周りに人がいるから360°回転できなかったりして(笑)」

 

キーワードは「真似したくなる」?

荒池「そういう工夫したリッチなコンテンツが流行してきたな、と思っていたら、最後に”PPAP”ですべて吹っ飛ばしてしまった(笑) 1分間、おじさんが踊っているだけの短い動画なのに」

 

PPAP(Pen-Pineapple-Apple-Pen Official)ペンパイナッポーアッポーペン/PIKOTARO(ピコ太郎)

 

 

小山「ムービーメーカー(Windowsの動画作成ソフト)で作れそうな単純さがありますよね」

荒池「それがジャスティン・ビーバーお気に入りの動画になってしまう、という。曲自体も最近トレンドのEDMではなく、シンプルなテクノで」

小山「あのくらいシンプルで短いとマネしたくなりますね。R&Bバージョンとかいろんなパロディが作られていますね」

畠山「誰でもできてマネしたくなる、というのが大事なんですかね」

荒池「確かに。岡崎体育でもファンが自分の好きなアーティストのMVを編集して“MUSIC VIDEO”内の『あるある』パロディを再現していたり」

畠山「”PPAP”はそれより更に簡単ですよね」

荒池「『マネしやすい』、ってなるとシンプルさが大事。 でも一方で『観たい、使ってみたい』となると最新技術を使ったもの、という風にコンテンツの方向性も二極化しているのかもしれないですね。

若い人はTVを観ていない、と言われるけど、今年流行ったものの中にもTV発のコンテンツはあって。『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS、以下、『逃げ恥』)の『恋ダンス』もそうだと思います」

小山「『逃げ恥』は、TVのコンテンツのフルバージョンや別バージョンがYouTubeで観られるというのをやっていますね。Instagramもやっていて出演者の動画を上げていたり。動画のプロモーションに力を入れていますね」

荒池「恋ダンスを観て、そこからドラマを観るようになった、という状況も生まれているみたいだし」

畠山「TVからSNS、SNSからTVという流れが流行の要因だったと思います。TVだけだとここまでになっていなかったのではないでしょうか」

小山「うん。みんなスマホで観ているから。ラジオも最近ではスマホにradikoのアプリを入れて聴いていますね。タイムシフト視聴ができるようになってからは、SNSにお勧めの番組のリンクを貼って共有する、という使い方も増えていますし。スマホで視聴できる範囲で何をやるか、というのが大事なのかもしれませんね。『使ってみたい』という話だと、まだ流行というほどではないかもしれないですが、VR(ヴァーチャル・リアリティ/仮想現実)が音楽業界でも使われ始めていますよね」

畠山「確かに。初音ミクのコンテンツがありますよね」

荒池「『Mikulus』(VRゴーグルの『Oculus Rift』をつけると、目の前の空間に初音ミクが表れるアプリケーション。)ですね。あとは360°型のMVはVRゴーグル使うと、より没入できますね。このあたりの話はスマホ、動画という話よりも、いかにデジタルでライヴ感を体験できるか、という話になっていきますね。いずれにせよ、シンプルさと対になるものとして、リッチなコンテンツだからこその、使ってみたい気持ちにさせるようなコンテンツも、観てもらう戦略として重要だとは思います」

 

音楽×お笑い=共有しやすい?

荒池「YouTubeなどを『スマホで共有して友達に観てもらう』時にわかりやすいもの、という点は大事ですよね。共有する時って感動するものよりも笑えるもののほうが共有しやすいし、伝わるのが早い」

小山「面白い、と判断させる要素が工夫されていますよね。『PPAP』もサムネイルに出ているピコ太郎があのビジュアルだから、気になって観る。ヤバいTシャツ屋さん(以下、ヤバT)も『お金のかけどころを間違えたMV』と言うワードとともに拡散されていました。内容だけではなく、クリックさせる工夫がないと話題にならないみたいですね」

荒池「うん。笑うのは時間がかからないけど、感動は文脈、ストーリーを追わないと感動できない。ピコ太郎はビジュアルで笑えるし、動画自体も1分で終わる。岡崎体育も1フレーズ目から面白さが伝わってわかりやすい。みんなスマホだと、すぐに他のページやTwitterに移動してしまうので、いかに短時間で覚えさせるのか、という観点で笑いは強いのかもしれない」

 

ヤバイTシャツ屋さん – 「あつまれ!パーティーピーポー」Music Video[メジャー版]

 

 

 音楽はどんどん短くなっている

小山「確かに。たまに感動系をSNSで見かけるけど、5分だと身構える。面白い動画でも同じで、5分もあると、間がもたない。耐え切れなくて『ここはまだ面白くなくて~』とか言って飛ばしちゃったりするけど(笑)」

荒池「その時間が、ここ最近どんどん短くなってきていますね」

小山「人が集中して映像を見るのは5分って言われていますしね」

荒池「今はもうVineが7秒。最近だとMixChannel(※)に上がっている動画も10秒。FacebookもGIF形式の短い動画が面白かったり。とにかくどんどん短くなってきていますね。短いというのは、友達と共有するのに、長いものは耐えられないっていうのもありますが、スマートフォンの通信制限のためにもうれしいです」

(※)スマートフォンで簡単に10秒の短編動画を撮影・編集出来るアプリ
https://mixch.tv/

小山「確かに。短そうだったら、通信量も大丈夫かもって思う」

荒池「やっぱり、観たいコンテンツがどれだけのデータ量なのかは気になりますね。電車の中でYouTubeのMVの動画があっても、再生するかどうか考えちゃう。うーん、家帰ってからにしようかなあみたいな」

小山「読み込みして、何分って出て、長かったらやめる(笑)」

荒池「そこって音楽業界的には辛いはずですよね。5分ですら長いと感じられちゃうと。そう考えると、今年流行ったものって”PPAP”みたいな1分とかの短いものが多い。SpotifyとかApple Musicなどのストリーミングも、やっぱりその場でダウンロードするのは、通信料がなあ……と。これで、通信の容量どれくらい食うんだろうって」

小山「そうなんですよね」

荒池「そうなると、家帰ってWi-Fi環境ある所でちゃんと見ようと思うけど、結局忘れちゃう。だから、家帰っても忘れないぐらいインパクトあるやつじゃないと……と考えると、すごいハードルが上がりますね」

小山「だから、短くてサッと観られる動画が、コアな音楽好き以外にも『これ面白いね』っていう広がり方で受け入れられたんじゃないかと」

畠山「SNSでも、タイムライン上ですぐ再生できる動画があるじゃないですか。あれは気になって観ちゃいますね。押しやすいです」

荒池「あれはしかも、勝手に動画が動きだす」

小山「そうそう、勝手に再生されると見ちゃう」

荒池「それだと、容量が減るっていう罪悪感が少ない(笑) そんなことないのに。あと、YouTubeで見ようとすると、イヤホンを出すってことがまた面倒になるんだよね。かばんからガサゴソと出して。そこまでして視聴するのかっていう。でも、音楽はちゃんと聴いてもらわないといけないから、そこもハードルになる気がする」

小山「音楽以外のコンテンツだと字幕とかで解決できるけど、音楽はイヤホンしてもらわないと。そうなると、スマホとかYouTubeとかでバズリやすい環境ではあるけど、他のエンタメコンテンツに比べると、ちょっとハードル高い。だから、最初に出ていた“MUSIC VIDEO”とかはそれを超えるクオリティがあったよね」

荒池「短い音楽でいうと、タイアップもありますよね。ただ、昔と比べてタイアップになったからといって、売れる時代ではなくなりましたよね。その中でもやっぱり強いのは朝ドラだと思うんです。民放の連ドラは録画派の人が多いから、歌はいいやって飛ばしちゃうかも。だけど、朝ドラはリアルタイムだからオープニングも全部観る」

小山「確かに。全部リアルタイムで観れちゃう」

荒池「ストーリーのあるドラマは15分くらいなら集中して全部観れるんですよね」

畠山「確かに。年々、TVも集中して長く観るってことがなくなってきている気がします」

荒池「CMになると、みんなTwitterとか観てるからね(笑) 今は本当にいろんなエンタメコンテンツに溢れてるから、CMは観ない。そうなると、やっぱりもうタイアップは効果がないのかも。ただ、使うコンテンツもスマホ中心になると、長い動画を観るには通信制限的に辛くなる」

畠山「それも踏まえて、今後どうなっていくのか気になりますね。東京オリンピックに向けて、フリーWi-Fiがさらに広がっていくと聞いています。ただ、それがいつ来るのかはわからないけれど、周りを見ていると、なんとなく来年ではない気がしますよね。まだ来年は通信制限との戦いが続きそうですよね」

荒池「そうすると来年はどうなるか。まだ今年みたいな感じが続くのかどうか。何かお笑い系以外で音楽を聴いてもらえるアプローチってないのかな。例えばサビ始まりの曲とかもっと増えるのでは。イントロにめちゃくちゃ力をいれないといけないとか」

小山「確かに。あとめっちゃ短いとかですよね。2分くらいの曲ばかりになったりとか」

畠山「四星球の“時間がないときのRIVER”がありますね」

 

四星球「時間がないときのRIVER」MV

 

 

荒池「あれ、動画自体は長いけどね(笑)ちゃんと3分あって、9割が楽曲インタビューで、最後の10秒だけが楽曲だよね」

小山「そう、インタビューが長い(笑)」

畠山「確かに。でも、つい何度も観たくなります」

荒池「そういう意味で今言ったみたいな曲の構成が前半でちゃんと楽しめる、短くても楽しめるような曲が増えそう。そのさっきのYouTubeの5秒リンクだったら、そこでちゃんとサビがある。昔観たMr.Childrenの桜井さんのインタビューでは「あのCMの15秒でちゃんとサビのワンコーラス終わるように作ってた」と言っていたけど、15秒どころか、もう5秒(笑)」

小山「それは結構話題になるし、サビ始まりの曲ってめっちゃインパクトありますよね」

畠山「やっぱりスマートフォンというメディアの中で、Twitterやらいろいろ楽しいことがある中で動画を選んでもらうためには、短い動画にして、好きになってもらうっていう戦略が大事だとおもいます。それはWi-Fiの問題だけでもなく、今の時代全般において考える必要があると思います」

 

今後、どうなる?~

マネしたくなる系動画のマーケットは?~

荒池「マネしたくなる系は来年以降どうなるんでしょうか」

小山「どうなんでしょう……でも、YouTubeって、曲をそのまま二次使用したりすると再生禁止になったりしますよね。まあ、著作権的に当たり前なんですけど」

荒池「あ、でもピコ太郎は“PPAP”でめっちゃ稼いでるんだけど、本家の映像だけじゃなくて、その勝手に二次使用してる動画も、本家の再生数として、お金が本家に流れるようになっているらしくて」

小山「おおお。その問題が解決されているという」

荒池「本家が、そういう事例をどんどん解禁していく。どんどん二次使用してください、と。それこそ初音ミク的な思想で。ちゃんと配信数が多くなれば本家にお金が行くんなら、岡崎体育だってどんどんパロディ作ってくださいってなる」

小山「確かにそういう仕組みなら、アーティスト側もリスナー側もお互い不満はないですよね」

荒池「音楽ってそれこそヒップホップのサンプリングや、マッシュアップ、DJだってそもそも人の曲で大盛り上がりなわけだから(笑) YouTubeの二次使用も広い心で『いいですよ』とすることで、音楽が広がっていくかもしれない」

【補足】対談は11月12日だが、11月22日(火)に、ビクターエンタテインメントより「『恋ダンス動画』の楽曲使用について90秒程度まで認める」旨の発表がされている。
http://www.jvcmusic.co.jp/-/Information/A023121.html?article=news132#news132

 

~音楽×笑いの今後~

荒池「音楽と笑いっていうのは、別に今年だけの流行りとかいうのではなくて今後も続くんじゃないでしょうか。笑いが嫌いな人はそうそういないから」

小山「共有しやすいですからね」

荒池「ただ、『笑えるから』のみだと、ただの一発屋的になっちゃうから、そこがうまく音楽性と揃ってなきゃいけないですよね。そういう視点だと今年アーティストとして売れていたのは岡崎体育とかヤバTとか。ある種、音楽性が笑いと近い人達で。楽曲と面白い映像が無理なくリンクする。まぁ昔からそういう面白い系のミュージシャン、笑いがちゃんとあるミュージシャンっていたけど、コミックバンド的な存在は今後も出てくるのかな」

 

~音楽×●●の新しいアプローチって?~

畠山「ちなみに『音楽と何をまぜるか』の、『何を』の部分は結局のところ、なんでもいいんですかね?極端な話すると、たとえばMVが4分あったら最初の15秒間だけ料理番組するみたいな。そこをきっかけに料理を好きな人が観て、そこからMVに持ち込めたりとか」

荒池・小山「(笑)」

畠山「無理やりではありますが、音楽と何かのきっかけは何でもよくて、音楽とは別のことを15秒くらいやって音楽にまで連れていくというか。そのアーティストがすごい料理うまかったりしたらそんなこともできるんじゃないかなって」

小山「釣り的な感じですよね」

畠山「普通の演奏しているMVよりは観る回数とかきっかけは多くなるんだろうなって」

小山「より趣向をこらした、MVの戦略が必要になりそうですね」

畠山「最初の15秒とかが勝負なんじゃないですか」

小山「Facebookでスクロールして出る自動再生の動画も、さらっとみて面白かったらちゃんと再生するし」

荒池「それって3秒とか5秒くらいで判断していますよね」

畠山「YouTubeのサムネイル画像あるじゃないですか。あれだけで判断しちゃうことありますよね。面白くなさそうだったら聴かなかったり」

荒池「サムネイルは再生するまでの最初の判断基準ですよね。押しちゃうと通信速度制限に近づいてしまうので」

小山「音楽プラスアルファのアルファの部分で売る時代というか、アピールしていく時代なんじゃないかしらって感じですよね」

荒池「うん。それはメディアとしてはちゃんとスマホに対応してたり、外で移動中の人にちゃんとアプローチしやすいものでないといけない」

畠山「惹きつける何かと音楽がリンクできれば……たとえばですけど、すごい料理が好きなアーティストがいたとして」

荒池「(笑)料理推すねえ」

畠山「料理好きに刺さりそうなMVで、なおかつ料理にまつわる音楽だったら売れるってことですかね」

荒池「その視点だと、そのうちスマホからにおいが出てくるようになったりしてね。そうしたらいけるんじゃないかな、それは。それで最後クックパッドのリンクがでてくる(笑)」

小山「(笑)」

荒池「『MVで作った料理はこちらです』みたいなね。まだ相当、技術的にきつそうだけど(笑)」

小山「そういう、音楽として動画を探している人以外にもリスナーが釣れるアプローチが」

荒池「そう。例えば、面白い料理の動画のBGMから広まって人気になる、みたいなのが今後増えるのかもしれない」

小山「音楽と組み合わせるものって何でも良いのでしょうか?」

畠山「良いと思います。その音楽×◯◯の◯◯が好きな人のマーケットがあれば。今まで音楽、特にアーティストが好きじゃなかった人も、その◯◯が好きであるが故に、◯◯をきっかけに、そのアーティストを好きになっていく光景をよく見ます。本来なら届かなかった人に音楽が届いたということだと思うので、アーティストにとって良いことなのではないでしょうか。テレビ番組、ナカイの窓(日本テレビ)で『寸劇が面白いアイドル』として、音楽以外の魅力を前面に押し出した生ハムと焼うどんが注目されたように、今後、この◯◯が鍵になっていくと思います」

 

 

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