光と愛に導く

2015年4月16日

3位井手尾_クラムボンレビュー_150409
No.3

第3位
クラムボン
『triology』

いつだって時間は進んでいくもので、過ぎ去った歳月はいつの間にか人々の環境を大きく変えていく。悩み、迷い、傷つきながらも、人と人の出逢いが自らの支えとなり、愛を願う力へと変わっていく。そんな力を音楽を通して感じさせてくれるのがクラムボンだ
結成20周年を迎えたクラムボンが5年ぶりに出したオリジナルアルバムは光と愛に満ち溢れていた。前作『2010』ではシガーロスやシカゴ音響派の影響を受けたと思えるほどの神々しい楽曲が特徴的であった。以降、各自ソロワークやプロデュース業などを経て、生み出した本作は子供から大人まで年代問わない色鮮やかなメロディと、愛情に満ちた作品となった。
高い演奏技術に裏付けされたシンプルなポップさと、力強いメッセージ性を帯びたエモーショナルさが、我々の胸を打つ。
手拍子とピアノから始まりながらも後半、各楽器がブーストし、変幻自在な展開にグイっと引き込まれる“the 大丈夫”や、低学年向けアニメのテーマ曲となった“Rough & Laugh”ではテンポ良いリズムから<からふる ぱられる みらくる みてみる>とひらがなで描かれる言葉遣いに愛しさを感じる。
何より、クラムボンの音楽はいつだって気持ちを軽やかにさせてくれる。それは20年経っても色褪せない原田郁子(Vo&Pf)の穏やかで力強い歌声と、我々の心をワクワクさせてくれるカラフルなバンドアンサンブルがギュっと詰まっているからだ。悲しみは希望に変わり、空を見上げ、誰かを想う音をいつも鳴らしてくれる。
同じ専門学校に通っていた3人は20年という長いスパンの中で、音楽の構築と解体を繰り返し、自らを都度アップデートしていった。故に皆の心の中にあるクラムボンは様々だが、根幹となる音楽性は不変であり、我々を安心させてくれるのだ。
“yet”では原田郁子はこう紡ぐ。<託された あたらしい未来は そう 今>旅はまだはじまったばかりだ。

井手尾 直樹

 

※このランキングは3月20日~3月29日の期間に発表されたものを対象にしています。

 

クラムボン 公式HP
http://www.clammbon.com/

 

Rough & Laugh / クラムボン

 

yet / クラムボン

 

amazon

発売中/レーベル:日本コロムビア

 

明日公開の第2位はカバー主体とした7人組の女性グループ! カバーと対になる言葉はオリジナル(原曲)ですが、彼女たちはオリジナルを活かしながらも新たに価値を生み出す力があるのです。

 

【3月20日~3月29日のMUSIX RANK】

10位「制服をまとったリアリズム」DAOKO『DAOKO』

 

9位「グッズで変わるバンドの印象」9mm Parabellum Bullet × STINGRAY TOKYO『バンドグッズ』

 

8位「坂の上の風に吹かれて」 女王蜂 『奇麗』

 

7位「あなた色のSONGS」踊ってばかりの国『SONGS』

 

6位「「しょうもない」の積み重ね」Courtney Barnett『Sometimes I Sit and Think, and Sometimes I Just Sit』

 

5位「好きだからこそ、語らずにはいられない。」ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル“神回”傑作選 Vol.1

 

4位「ロックンロールは感情の爆発だ」THE BAWDIES 「Boys!TOUR 2014-2015 」日本武道館(2015年3月29日)

 

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