第1位 LILI LIMIT 『Girls like Chagall / RIP』「浸透力と中毒性という発明」

2015年5月30日

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No.1

第1位
LILI LIMIT
『Girls like Chagall / RIP』

音楽リスニング環境のYouTubeへの移行とフェスの全盛。これらにより近年の邦楽は1曲のうちに曲調が様々に変化することによるリスナーを飽きさせない展開、もしくは四つ打ちや歌詞を繰り返すサビなどフェスで盛り上がれることを意識した構成が流行した。最初は大発明であったこれらの手法も今では数多くのバンドが使用し、明らかに過渡期を迎えている。だからこそ、シーンを1歩前に進めるポテンシャルを持った救世主にそろそろ出現してほしいし、そんなタイミングでLILI LIMITは現われた。
男女混合5人組バンド、LILI LIMIT。彼らの1stシングル『Girls like Chagall/RIP』を聴くと、1曲の中での積み重ねの巧みさに驚く。“Girls like Chagall”は基本的にはメロとサビの2つの要素の繰り返しでできているのだが、各パートのコード進行は同じでありながら、繰り返すたびにそこに乗る歌詞が増え、ヴォーカルが早口に言葉を重ねるようになる。そしてサウンドもシンセのシンプルなフレーズに激しいギターが重なることで最初はシンプルなエレクトロであったのが、最終的にはギターロックも加わった重厚なサウンドに変化している。クライマックスに向けて飽きさせない工夫をしつつ、曲の構成自体は繰り返しのためすぐに耳に残る。その結果、4分半の間に最後には誰もが盛り上がれるアンセムに育つ素早い浸透力と、本質的にミニマルな繰り返しにより、何度もリピートしたくなる中毒性も同時に獲得しているのだ。
シンプルでわかりやすいのに飽きさせない。そんな彼らのサウンドは、高速で情報が過ぎ去る現代社会に遅れないスピード感と、すぐさま使い捨てにされない強度を兼ね備えている。この発明は、今後の音楽シーンの新たな潮流を生み出すことだろう。

荒池 彬之

 

※5月21日~5月30日の10日間でお届けする、最近の音楽の話題をランク付けしたランキングです。

 

LILI LIMIT公式HP

http://www.lililimit.com/

LILI LIMIT – h.e.w (2014.7.31 release)

 

【今後のライヴスケジュール】

Shimokitazawa SOUND CRUISING 2015

2015年5月30日(土)

※LILI LIMITは下北沢レッグに出演

 

「ツタロック×SHIBUYA TSUTAYA presents “SCRAMBLE FES 2015 “」

2015年6月7日(日)

TSUTAYA O-EAST, O-WEST, O-nest, O-Crest

 

Amazon

 

発売中/レーベル:Lastrum

後記

今回のMUSIX RANK、いかがだったでしょうか。今回扱った音楽はそれぞれのジャンルでは評価の高い、要注目なものばかりです。声優音楽においてトップクラスの人気を誇る花澤香菜、若くからアイドルとして経験を積んでいるアイドルエリート武藤彩未、活動20周年を迎えた今もなお、攻めた活動を続けるGLAY。自分の知らないところでそんな盛り上がりがあったなんて、と思ったみなさん。そうなんです、世の中にはたくさん面白く、素晴らしい音楽があるのです。それを私達MUSIUMは今後もどんどん紹介できればと思っているので、是非今後もご愛顧お願いします。
ということで縦横無尽に色んな音楽を扱うMUSIX RANK、明日からの新しいランキングもお楽しみに!

 

5月21日~5月30日公開のMUSIX RANK

10位「ポップスとはかくあるべし」花澤香菜「花澤香菜 live 2015 Blue Avenue」日本武道館(2015年5月3日(日))

 

9位「未だ進化の途中」Perfume『Relax In The City/Pick Me Up』

 

8位「自信とプライドのアイドル」武藤彩未「Special Live「BIRTH」」渋谷公会堂(2015年4月29日(金))

 

7位「優しい気持ちで」クリープハイプ『愛の点滅』

 

6位「呪われた運命」Nosaj Thing『Fated』

 

5位「彼女にとっての自由」湯川潮音『セロファンの空』

 

4位「メジャーデビュー作で証明した「進化」きのこ帝国『桜が咲く前に』

 

3位「解散しないバンドのポップな約束」GLAY <MMHF>GLAY 20周年特別企画 THE GAME OF MUSIC LIFE Vol.1 ~ド変態双六実行委員会完全プロデュース~

 

 ▼2位「クロス・オーヴァーの新しいマナー」RHYMESTER『人間交差点/Still Changing』