第1位 シンリズム 『NEW RHYTHM』 必死に無邪気なポップ・ミュージック

2015年6月19日

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No.1

第1位
シンリズム
『NEW RHYTHM』

必死に無邪気なポップ・ミュージック

時代が不穏になればなるだけ、ポップスは反比例してそのポップさを増してきている。そしてついに2015年、ポップスはここまで到達してしまった。
曲作りから演奏まで一人でこなす現役高校生ミュージシャン、シンリズムのデビューアルバムは、彼の音楽への愛がポップ・ミュージックのマナーにのっとって表現されている。リード曲“心理の森”ではイントロのギターソロ、メロでのキーボード、ブラス、そしてサビでのコーラスワークとパートごとに聴かせどころを用意して、大サビでのすべてが重なるという無駄のない構成で、その完成度に驚かされる。
そして何より、本作にはシリアスさが一切無い。<心理の森抜け出せれない>と言いつつ、すぐに<次の日には抜け出せるさ>と歌う歌詞は、暗さのないサウンドともにどこか楽天的だ。
キリンジが<祈れ呪うな><空が落ちるかも>(“祈れ呪うな”)と歌い、tofubeatsが“朝が来るまで終わる事の無いダンスを”を無料配信したのが2012年だ。震災など明確な脅威が目の前にあった当時、ポップスはまっすぐにそれに向き合うことでそれを乗り越えようとした。
それから3年。明確な脅威は見つけづらいが、それでも不穏さは増している気がする世の中でポップスのあり方は更に変わり、本作のような一見無邪気なサウンドにたどり着いた。それを現実逃避ととらえるか、あてもない暗闇の中で、とにかく強く照らす光ととらえるか。その答えは“心理の森”の最後、フェードアウトする間際に抑えきれないかのように聴こえる彼のシャウトを聴けばわかるはずだ。今の時代の音楽として、彼は必死に無邪気なポップスであろうとしている。

荒池 彬之

 

※6月10日〜6月19日の10日間でお届けする、最近の音楽の話題をランク付けしたランキングです。

 

シンリズム公式 HP

http://shinrizumu.com/

 

シンリズム「心理の森」 

 

【今後のライヴスケジュール】

 シンリズム1st TOUR「NEW RHYTHM」

■2015/7/20 福岡Gate’s7

■2015/7/23 渋谷CLUB QUATTRO

■2015/7/31 梅田CLUB QUATTRO

■2015/8/1 名古屋CLUB QUATTRO

 

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発売中/レーベル:Ano(t)raks

 

6月10日~6月19日公開のMUSIX RANK

10位「ハーレム・エンターテインメント」清 竜人25『Mr.PLAY BOY…♡』

 

9位「キュウソ最大の敵、襲来!」twenty one pilots『Blurryface』

 

8位「教室から始まる恋」恋する円盤『Her Favorites』

 

7位「理由もなくハッピーではいられない」ふくろうず『プリティーワンマン~やっぱりひとりもいいよね。~下北沢SHELTER 2015年5月23日(土)』

 

6位「カルトミュージックの歴史」Father John Misty 『I Love You, Honeybear』

 

5位「星野源は今、無敵である」星野源『SUN』

 

4位「浪人生なんて言わせない」KANA-BOON「KANA-BOONのとぅるとぅるかむとぅるーTOUR 2015 〜全国とぅるとぅる編〜 追加公演」@東京 Zepp Tokyo(2015年5月22日(金))

 

3位「夏のBGMになるアルバム」KEYTALK『HOT!』

 

2位「ceroが切り開く、東京インディーに続くニュージャンル」cero『Obscure Ride』