第5位 星野源 『SUN』「星野源は今、無敵である」

2015年6月15日

星野源画像
No.5

第5位
星野源
『SUN』

星野源は今、無敵である

テレビの音をBGMに何か別の作業をしている時、ふと耳に流れ込んできた曲が気になり、思わず目を向けた経験はないだろうか。今作でまさにそれが起こった。その時はテレビドラマ「心がポキッとね」(フジテレビ)が放送中で、聴こえてきたのは主題歌でもある星野源の“SUN”だった。それもドラマ内でもBGMとして鳴っていたものだった。
ノイズ音の後「ドンッ」というドラムの快活な音が合図となり始まるイントロ部分、軽快に歩く速度ほどのBPM108で進行するギターのリズミカルなメロディとストリングスとの掛け合いは、70年代末からのダンスクラシックやソウルミュージックを思わせ、つい腰をふりふりさせて踊りたくなってしまう。
療養後の2014年6月に発売した『Crazy Crazy/桜の森』の“桜の森”で初めてダンスクラシックのサウンドに挑戦し、今までの楽曲との毛色の違いに驚いたことを覚えている。しかし、まだどこか憂いを帯びた落ち着きが歌詞やサウンドから垣間見えた。それは、2曲A面ではありながらも、新譜を聴く人の印象を決める1曲目にしなかったことから、恐らく少し様子を伺っていたのではないかと思う。しかし今作のタイトルは『SUN』。太陽の光を浴びたジャケットと、病気を患う前の星野源からは考えられないポジティヴな楽曲は、『Crazy Crazy/桜の森』以上の完全復活、いや進化を感じることができる。
更に今作は、星野源が親愛なるマイケル・ジャクソンへの想いを歌った歌でもある。それはそこかしこから垣間見ることができるのだが、マイケルという孤独で孤高の存在を星野源と重ねてしまうのも否めない。<僕たちはいつか終わるから/踊る いま>。死と隣り合わせの経験をした星野源は、人生の刹那的な今を最高に楽しいものにしようとしている。そうでなければ時間がもったいないことを知ったからだ。
70年代のソウルミュージック(星野源にとってはルーツであり「魂の音楽」とも言える)と日本人にも耳馴染みのよいポップスを兼ね備えた今作で、星野源の魅力に気づきハマっていく人は多いだろう。しかし、それらはすべて、ネガティヴでぽつりぽつりと歌う病気を患う前の星野源があったからだということは知っておいてほしいのと同時に、それらの音楽は今だって星野源なのである。
いつ終わるとも知れない楽しい気持ちを楽曲で表現し、何も恐れることなく太陽よりも前に出た今の星野源は、無敵だ。

山吹 彩野

 

※6月10日〜6月19日の10日間でお届けする、最近の音楽の話題をランク付けしたランキングです。

 

星野源 SUN』特設サイト

http://www.hoshinogen.com/special/sun/

 

星野源 公式HP

http://www.hoshinogen.com

 

星野 源 – SUN【MUSIC VIDEO & 特典DVD予告編】

 

【今後のライヴスケジュール】

FUJI ROCK FESTIVAL ’15

7月24日(金)〜26日(日)

※星野源の出演日は7月25日(土)

新潟県苗場スキー場

 

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015

8月2日(日)

国営ひたち海浜公園

 

「星野源のひとりエッジ in 武道館」

8月12日(水)、8月13日(木)

日本武道館

 

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発売中/レーベル:ビクターエンタテインメント

 

明日の第4位は、MUSIUMで何度も取り上げている、大阪出身4人組ロックバンドの全国ツアー追加ラスト公演のレヴューです!

 

MUSIUMによる星野源関連レヴュー

「笑顔の卒業アルバム」SAKEROCK『SAYONARA』

「普通じゃない普通」星野 源 横浜アリーナ2Days「ツービート」弾き語りDay(2014年12月16日(火))

星野源「YELLOW VOYAGE」「星野源と行くイエローな旅」

 

6月10日~6月19日公開のMUSIX RANK

10位「ハーレム・エンターテインメント」清 竜人25『Mr.PLAY BOY…♡』

 

9位「キュウソ最大の敵、襲来!」twenty one pilots『Blurryface』

 

8位「教室から始まる恋」恋する円盤『Her Favorites』

 

7位「理由もなくハッピーではいられない」ふくろうず『プリティーワンマン~やっぱりひとりもいいよね。~下北沢SHELTER 2015年5月23日(土)』

 

6位「カルトミュージックの歴史」Father John Misty 『I Love You, Honeybear』