第1位 フジファブリック 『BOYS』「信頼の証に愛を歌う」

2015年7月26日

フジファブリック
No.1

第1位
フジファブリック
『BOYS』

信頼の証に愛を歌う

フジファブリックの創始者であり、2009年に急逝するまで、フロントマンを務めた志村正彦(Vo&Gt)は、かつて、「フジファブリックは『君が好き』というワードを『君のことは嫌いじゃない』と言うと思う」と語った。この言葉からもわかる通り、フジファブリックは変化球を好み、ストレートな表現はしないバンドだった。
だからこそ、今回彼らがデビュー11年目の新境地として「恋愛」というテーマに挑んだミニアルバム『BOYS』の1曲目、ストリングスに彩られたメロディアスな“Green Bird”を聴いた瞬間、驚いた。<あなたを彩るそのすべてが/未だ僕の胸打つから>と恋心がストレートに表現されていたのだ。彼らはなぜ表現方法を大きく変える決断ができたのか。
メジャーデビュー10周年を記念して行われた武道館公演は、「志村正彦」という存在を失ったことによってバンドとリスナーの間に引かれてしまった一線を、取り払ってくれた。これまで志村の面影を求めることは、今の3人体制のフジファブリックを否定してしまう気がして、あえてそれを避けていた部分があった。しかし、武道館公演では、志村の歌声が流れ、ステージには彼の機材が置かれ、MCでは「志村くんが好きで、フジファブリックが好きだから、バンドを続けている」と語られた。ライヴの中に志村の存在感をはっきりと出すことで、バンドとリスナーはようやく、悲しみや志村に対する想いを共有し合った。そしてそれを受け入れた上で、志村の音楽性も、3人体制となり変化していく音楽性も、全て含めてフジファブリックだと認識し、「今のフジファブリック」と向き合うことができたのだ。
彼らが本作において、表現方法を変える決断ができたのは、リスナーはこの変化もフジファブリックとして受け入れてくれるということを、武道館公演で確信することができたからだ。そして私達リスナーも、フジファブリック特有の変態性と情緒性を融合させたリフやリリックをポップに奏でることで、今までにない華やかさを持った本作を聴いて、こう確信した。フジファブリックの変化は、バンドの個性を失う変化ではなく、バンドの魅力が増進する変化なのだと。本作によって、バンドとリスナーの信頼関係は、より強固なものとなったのだ。

結城 萌奈美

 

フジファブリック 公式HP

http://www.fujifabric.com/

 

フジファブリック『Green Bird』(Short Version)

(Official Music Video)

 

【今後のライヴスケジュール】

FUJIFABRIC HALL TOUR 2015
10月25日 (日) 日比谷野外大音楽堂

11月8日 (日) 日本特殊陶業市民会館フォレストホール

11月15日 (日) 金沢市文化ホール

11月27 日(金) オリックス劇場

11月29 日(日) NHKホール

 

Amazon

発売中/レーベル:Sony Music Artists

 

7月12日〜 公開のMUSIX RANK

10位「孤独への挑戦状」モーモールルギャバン『シャンゼリゼ』

 

9位「日常から生まれた底抜けにハッピーな奇跡」Shiggy Jr.『サマータイムラブ』

 

8位「ポップって何?普通って何?」Shamir『RATCHET』

 

7位「愛に溢れるフェスティバル」「京都大作戦」 

 

6位「視点を変える」朝井リョウ著『武道館』

 

5位「へんてこは永遠に東京カランコロン ワンマ んツアー2015 ~ホールでワンマ ん~” 中野サンプラザ (2015年7月10日(金))

 

4位「壁を壊すために」「DEAD POP FESTiVAL」東扇島東公園2015年7月11日(土)12日(日)

 

3位「男が歌う理由「泉谷しげる LIVE」下北沢GARDEN(2015年6月21日(日))

 

2位「銀杏BOYZは終わらない」銀杏BOYZ「YATSUI FESTIVAL! 2015」渋谷O-EAST (2015年6月21日(日))