第6位 JAAKKO EINO KALEVI 『JAAKKO EINO KALEVI』「フィンランド出身のヤーコ・エイノ・カレヴィです」

2015年8月1日

jaakko画像
No.6

第6位
JAAKKO EINO KALEVI
『JAAKKO EINO KALEVI』

フィンランド出身のヤーコ・エイノ・カレヴィです

ABBAの“Dancing Queen”をみんな一度は耳にしたことがあるはずだ。ABBAやThe Cardigansが代表的なスウェディッシュポップブームは、1970年代後半に世界的に広がった。ここ数年の間で、北欧雑貨や映画に注目が集まった影響か、日本での北欧音楽の人気も再燃しているようだ。スウェディッシュポップを現代の音として鳴らしたようなOf Monsters And Menや、ギターポップにエレクトロニカを取り入れたThe Royal Conceptが注目されているのも象徴的だ。
今回紹介するJAAKKO EINO KALEVI(以下、ヤーコ)はフィンランド出身で、作詞作曲、演奏、プロデュースも自らこなす、マルチな才能の持ち主だ。今作の一曲目“JEK”では、不穏な低音とまとわりつくようなメロディに乗せて、彼が囁くように歌う。聴こえてくる歌詞は<ヤーコ・エイノ・カレヴィ>という自分の名前。このアルバムで彼は自己紹介をしているのだ。
“Double Talk”や“ROOM”から感じる浮遊感のある柔らかいシンセの音の重なりは、木々の隙間を吹き抜ける心地よい風やキラキラと反射する水面、美しい白夜など、フィンランドの自然を想起させる。かと思えば、ステップを踏みたくなるような、懐かしきディスコ調の“Hush Down”。そしてダビーな印象を受ける“Ikuinen Purkautumaton Jännite”は、ラスト、乱れ打つドラムと感情的なサックスの音色、狂ったコンピューターのようなノイズの渦にまみれ、破滅するかのように幕を閉じる。この楽曲には、彼のこれまでの人生や日々の喜怒哀楽が表れているのかもしれない。そんな人間味溢れるこのアルバムが、そして彼が、とても好きになった。
北欧の音楽は、人間と自然が共生している豊かな土壌がアーティストに影響を与え、彼らの音楽のどこかに滲み出ていると思う。それは、清涼感のある歌声や深みのあるリバーブ、きらめくシンセの音色など、各所から感じることができる。今作でヤーコは、フィンランドの自然とそこで生活する人間を自己紹介として表した。今の北欧の音楽を、ぜひ聴いてほしい。

及川 季節

 

 ※7月28日〜8月6日の間でお届けする、最近の音楽の話題をランク付けしたランキングです。

 

JAAKKO EINO KALEVI 公式HP

http://weirdworldrecordco.com/jek/

 

Amazon

 

発売中/レーベル:ホステス

728日〜86日公開のMUSIX RANK

10位「二足のわらじ」 感傷ベクトル『one+works』

 

9位「リアリストが鳴らすロマンス」リコチェットマイガール『ランドリー』

 

8位「写真に賭けたロックの未来澁谷征司「そこで見てる ミッシェル・ガン・エレファントラストへブン展」

 

7位「愛と麻薬についてThe Weeknd“Can’t Feel My Face”