椎名林檎 『椎名林檎と彼奴等がゆく 百鬼夜行 2015』 「 足し算と引き算の間で」

2015年12月18日

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椎名林檎
『椎名林檎と彼奴等がゆく 百鬼夜行 2015』

足し算と引き算の間で

東京事変とはまた違うバンド「MANGARAMA」が新しく出来上がったと言っても過言ではないだろう。今年の夏のシングル曲“神様、仏様” をきっかけに結成された9人のメンバーは椎名林檎のデビュー当時から現在に至るまで、名だたるサポートメンバーにより構成され、夏フェスや海外公演など多くの場数を経験する中で“バンドらしさ”を手に入れていた。
椎名林檎のライヴには必ず特別な演出や仕掛け、統一性を重視したコンセプトがある。しかし今回は 「MANGARAMA」というバンド自体にテーマがあり、仕掛けがあった。JBを思わせる 60 年代ファンクのグルーヴを金管楽器が高速フレーズで連発しながら、重々しい玉田豊夢のドラムがボトムを支え、ヒイズミマサユ機のクラヴィネットがキレッキレのバッキングを弾く——楽曲提供したナンバーをはじめ、歌謡曲調の原曲をソウルフルにアレンジする「MANGARAMA」は和製ファンクによる怪しさによって今回のライヴのテーマ「百鬼夜行」を作り上げていた。
「MANGARAMA」が結成されるまで、東京事変解散後の彼女は様々なメンバー達とタッグを組んでいった。2013 年に生楽器のみのハーモニーで奏で合った椎名林檎15周年記念ライヴ「党大会」のメンバーではプレミアムかつ引き算の美学を徹底。2014 年にメンバーを40人以上増やし、音圧を限りなく上げた(生)林檎博’14 ―年女の逆襲―のメンバー「銀河帝国軍楽団」では、足し算の美学を推し進めた。それら足し算と引き算の中央を貫くようなバランスで「MANGARAMA」は作り上げられたのではないだろうか。それは彼女が足し算から引き算まで行った軌跡の結晶と言えるだろう。

野口 誠也

 

椎名林檎と彼奴等がゆく 百鬼夜行
今年の夏に発表した両A面シングル“神様、仏様”と“長く短い祭”のリリース記念コンサート。2015昨年のライヴ「林檎博’14 -年女の逆襲-」が全国3か所5公演だったのに対し、今回は全国11か所18公演という大規模なコンサート。ホールツアーで言えば、椎名林檎名義としては2003年の「雙六エクスタシー」以来だった。

 

※ピンクの星内の漢字は、扱う音楽から感じる印象を漢字一文字で表しています。

 

椎名林檎 公式HP
https://www.kronekodow.com

 

椎名林檎 – 神様、仏様

 

 

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