SHISHAMO 『夏の恋人』 「SHISHAMOは夏に大きくなる」

2016年9月17日

夏の恋人

SHISHAMO
『夏の恋人』

SHISHAMOは夏に大きくなる

SHISHAMOと言えば爽やかなギターサウンドが駆け抜けるポップなロックバンドというイメージだったが、それは昨年の夏に発表されたシングル『熱帯夜』によってひっくり返されたと同時に、これからどんな音楽を作っていくか胸が高鳴った。そして今年の夏の終わりに、彼女達は新しい音楽の扉を開けた。それが今作『夏の恋人』だ。
昨年の夏に出した『熱帯夜』は、しっとりじめっとした夏の夜の暑さを感じさせる楽曲で、少しジャズっぽさもある様なメロウな音楽に、自然と身体が横に揺れてしまうような曲だった。それまでのSHISHAMOの楽曲がバンドサウンドを前面に打ち出していた中で、じっくりと歌を聴かせるためにバンドがあるというSHISHAMOの新しい形を見たように思えた。
そんな印象を『熱帯夜』をCDで聴いた当初は抱いていた。しかし、今年の1月の武道館公演で聴いたときに、この曲の見えなかったものを見た。武道館という広い会場で、3人のギター、ベース、ドラムの音だけだと、会場いっぱいに曲の景色を響かせるにはどこか物足りなさを感じたのだ。もしここにストリングスが入ったりしたら、曲からより深い表情を引き出し、また違った曲になったのではないかとも思った。つまり、SHISHAMOの楽曲は3人の音だけでは表現しきれないものになってきたのではないのかと感じたのだ。
それから1年後。SHISHAMOは『夏の恋人』を発表した。曲の出だしで軽やかに刻まれるギターの和音は、美しくも儚さをまとっていて、まさに夏の終わり、秋の風を感じたときのような寂しい涼しさを感じさせる。1番のサビに入ると、控えめながらストリングスが入ってきて、徐々にその心の落ち着かなさを膨らませていく。SHISHAMOが今作で初めて投入したストリングスは効果抜群で、曲が進むにつれて胸の中にくすぶっている夏の破片をどんどん膨らましていく。そして最後の大サビでストリングスが全面的に出てくることで、ここまで堪えてきていたものを一気に押し上げ、溢れさせるのだ。
一昨年の夏は代表曲となる『君と夏フェス』を発表し、昨年の夏にはそれまでのギターロックからの転換を予感させる『熱帯夜』を。そして今年の夏に発表する『夏の恋人』はロックからポップスへ、彼女達の音楽の幅と広がりと新たな展開を拓く鍵となる作品になった。そう、SHISHAMOは夏に一回り大きくなるのだ。

遠藤 瑶子

SHISHAMO
川崎にある高校の軽音楽部で結成した女子3人によるロックバンド。2013年の高校卒業を機に本格的にバンド活動を開始し、同年11月にアルバム・デビューした。今年1月には初の日本武道館単独公演を成功に収めた。この秋には、全国のZeppを交えた全9都市13公演のライヴハウスツアーの開催が決まっている。

 

※星内の漢字は、扱う音楽の印象を漢字一文字で表しています。

 

SHISHAMO 公式HP
http://shishamo.biz/

 

SHISHAMO-夏の恋人

 

 

【今後のライヴスケジュール】

SHISHAMO ワンマンツアー2016秋
「夏の恋人はもういないのに、恋に落ちる音が聞こえたのはきっとあの漫画のせい」

2016年11月11日(金) 東京・Zepp Tokyo

2016年11月20日(日) 北海道・Zepp Sapporo

2016年11月23日(水・祝) 宮城・仙台 PIT

2016年11月26日(土) 愛知・Zepp Nagoya

2016年11月27日(日) 愛知・Zepp Nagoya

2016年11月29日(火) 熊本・B.9 V1

2016年11月30日(水) 福岡・DRUM LOGOS

2016年12月3日(土) 大阪・Zepp Namba

2016年12月4日(日) 大阪・Zepp Namba

2016年12月6日(火) 高松・festhalle

2016年12月8日(木) 広島・CLUB QUATTRO

2016年12月10日(土) 東京・Zepp Tokyo

2016年12月11日(日) 東京・Zepp Tokyo

 

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